国別対抗戦で楽まれている期間中に、暗い話で申し訳ないんですが、
今朝、強い揺れに、強引に覚醒させらて
まだ、落ち着かない気持ちでいっぱいです。
[54回]
記憶って「目で見たこと」だけを覚えていることではないんですね。
五感すべてで、覚えているものですね。
はるか18年前のことなのに、
あの日の景色、音、匂い、感触、味
すべての恐怖が、わずか10秒ほどで、甦ってくるものなんです。
東日本大震災をニュース等で見たり聞いたりした時は、
恐怖もありましたが、やはり、傍観者に過ぎなかったのです。
今朝のわずかな揺れで(18年前に比べれば、本当にわずかな揺れで)
子供のころに戻ったように、泣いてしまいました。
子供は、恐怖に泣くだけでしたが、
大人たちは、恐怖だけでなく、閉ざされた未来に嘆いていました。
築き上げてきたものが、一瞬にして失われる大きな失望。
子供たち、若者たちは築き上げていく未来がありましたが、
家族を持ち、生活を支えていた大人たちには、希望の色が見えなかったのです。
それが、震災など、天災によって受ける人々の苦悩です。
先日、新長田という街にあった百貨店が閉店しました。
みなさまの記憶にも少しあるかと思いますが、
新長田という街は、地震のあとに火災が発生し、
賑わっていた商店街が、跡型もなく、焼失した街でした。
その火災の間近にありながら、奇跡的に火の粉を逃れた百貨店がありました。
通りの向かい側までが火の海でした。
震災後、遅々として進まない復興の陰で、
失った商店街を補う役割を、その百貨店が担っていたのです。
食料品なども幅広く扱っていたので、地元の人々に長らく愛顧された百貨店です。
百貨店の閉店の直接要因は知る由もありませんが、
新長田の商店街が、新しく生まれ変わり、地域に定着し始めたことも、
契機のひとつだと思います。
新長田の商店街が、いよいよ甦ったのだと思います。
18年です。
本当の復興まで18年も掛ったのです。
東日本大震災の被害は、ご存知の通り、阪神大震災の比ではないのです。
命を失った人も、街も多すぎる・・・失望が大きすぎるのです。
時の政党や当時の総理の手筈の悪さも復興のスピードを鈍らせていたとは思いますが。
20年・・・30年はかかっても不思議ないような気がします。
中高年の方々は、甦った街を見ることができないかもしれないのです。
記憶は風化します。
とくに、震災後すぐに、バラエティ番組を放送したようなテレビ局などは、
風化を加速させることでしょう。
NHKは、他の不信要素は置いといて、
震災応援歌を作り、記憶を風化させない放送をしている
唯一のテレビ局です。
今朝の地震の際も、唯一、他の番組を止めて地震の情報を流し続けてくれました。
お金を取る国営放送なので、当たり前ではありますが、
やはり、有難かったです。
携帯電話の警報機能などは、何一つ知らせてくれませんでしたが。
今朝の地震は、改めて東北の復興について考える機会を与えてくれました。
そして、コンビニに行くと、インスタント食品やペットボトルの水が、売り切れててびっくりしました。
誰もが、思い出したように避難グッズや保存食、水の準備をしているのです。
みなが記憶の底に眠っていた恐怖に、身が引き締まる思いなのしょう。
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