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あにき日記

フィギュアスケート好きのあにきの日記

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妹が、リビングのソファーを一人占めして、
寝転んで、PSPでゲームをしていたので、
「今、どんなんしてるん?」と聞いたところ、
知らなかったほうが良かった答えを見せてくれた。

「実話怪談 新耳袋一ノ章」

「ぎゃー、また怖いやつ?なんでそんなんばっかりするん?」
「いやいや、全然こんなんレベル低いわ。 このぐらいの怖さでは、怖がってやるもんか。これ、話読むだけやし。やってみる??」
「いいえ、いいえ、結構です。(怖いのは大の苦手)」
「いいやん、見て見て、もうちょいで出てくるから」
「なにが出てくるん?」
「霊。」
「霊?」
「霊。ほら出た!!」
「ぎゃあああああああああああ」
「あははははは。こんなん絵やん。ほれっほれっ」
「やめて~~~~見ない見ない見ないから、やめてくれ」
「あははははは、あにき、おもちゃみたい、ほいっ!!」
「ぎゃあああああああああって、おまえおかしいぞ?こんなん平気で見てるし。ホン怖の本とか、リビングにおいてるし。自分の部屋に置けよ。」
「いやや~あにきがそれ見つけて、体が『ビクっ』とするの面白いから、そこに置いとく。」
「・・・っく」
「そういえば、こないだバス載ってるときさ~運転手の背中に白い・・」
「やめ!!!やめれ!!!聞かない聞きたくない」
「白い女の人の手が見えて」
「見えない見えない。何も見えない。南無阿弥陀南無阿弥陀」
「肩に向かってこんな風に上がっていって」
そう言いながら、妹の手が背中を上がってくる。
「ぎゅあああああああ」

母「ちょっと、あんたらうるさい!!またホタえて(ふざけて)。
ほんま、仲ええなあ。」


「仲なんか良くないわ!!ふ~んだ。馬鹿あにき~」
そう言って、妹はリビングを後にした。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ば、馬鹿とはなんだ!!」
「反応遅いわ!」

く~~っ
今日も負けた。完敗だ。
妹強し。兄弱し。
ああ、ほんとに怖かった。

拍手[9回]

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僕らは、悪巧みをする時だけは、気が合う。
僕はゆず茶が好きなので、夜寝る前に、ゆず茶タイムを楽しんでいる。
そんなある夜、僕のゆず茶タイムに妹が突入してきた。
キッチンボードから、何やら、缶入りの食材?を取り出し、ゆず茶をつくり、その中に缶からスプーン一杯の白い粉を入れて掻き混ぜている。
「それ、なに?」
僕が尋ねると、妹は、初めて僕の存在に気付いたように、ギクッと体を強張らせて、こちらを見た。
「コラーゲン。見たらわかるでしょ?」
わからないから尋ねたのだが。
「入れたら、おいしいん?」
「まずい。魚臭い。」
「はあ?何でまずいのにコラーゲン?」
「ちょ、ちょっと、声でかい。お母さんに見つかったら怒られる。」
「ええ?それ、もしかしてお母さんの美容の?高かったって言うてたやつ?」
「そそ、いいやつ。一万円くらいって言うてた。」
「えええ?一万円?そんだけで?」およそ500gといったところか。
「おまえ、見つかったら、殺されるで!」
「うるさいな~ほれっ」
そう言って、僕のゆず茶に、スプーン一杯の白い粉を投入した。
「うわーなにするんや?」
「これで、共犯やからね。」
「せ、せっかくのゆず茶が……魚くさっ」
「いいから、混ぜて飲み!」
グリグリグリ~ン
「うわっまぜよった、うわ匂いが変になったあ」
「もう、うっさいな~飲みったら、飲み!」
くそーやられた。
ゴクゴクゴクッと。
うーん、微妙な味になっつまった。
「これで、あにきも、明日、お肌ツヤツヤやで。」
そんなもんなんか?
だいたい男に美容なんて、
つか、妹にもまだ必要だとも思えない。
「お母さんが大事に飲んでるんやから、ぬすんだら、ダメやん」
「共犯者!」
妹が人差し指を僕に向けた。
「や、やめ、指さすな」
僕は尖端恐怖症。
「ごちそうさま。お先に」
僕は猫舌。
くそー。なぜに妹にしてやられてばかりなのだ。妹ペースに乗せられっぱなしだ。
甘やかしすぎたのか、僕に威厳がなさすぎなのか。おそらく後者が正解なのだろうな。
……………………………………

「うぎゃあ~~~~」
次の日の朝、鏡を見たぼくは絶叫した。
なんと、お肌がツルツルなのだ。僕は、かつて体験したことのない、自分の美肌に驚愕した。
美し過ぎる。
この時を人生の分岐点とするならば、僕があちらの世界に向かってしまったとしても不思議ない。
しかし、口元と顎に青っぽく姿を見せてる髭のお陰で、なんとか真っ直ぐな道に踏み止まることができた。
「危なかった」
こんなに効果があるものなんだ。低分子ヒアルロン酸&コラーゲン、恐るべき。

それからというもの、妹と僕は時々、盗っ人と化し、母のコラーゲンをこっそり頂戴している。
僕はその効果に驚愕したが、
妹は「たいして効果なし」などとほざいている。

拍手[6回]

僕が浅田選手の今季エキシビションの動画を見ていた時のこと。

ショパンのバラード1番を、飾り気のない白い衣装で演じる
このプログラムが、浅田選手のプログラムの中で一番好きだ。
YouTubeで初めて見た時から、僕はこのプログラムの虜になった。
深いエッジで左右に繰り出すツイヅル。
演技中盤で見せるシャーロットスパイラル。
後半の激しいステップ。
どれをとっても美しく、確かな技術に裏付けされていることがよくわかる。
バレリーナの練習風景を表現しているとのこと。
「一人のバレリーナが、練習で上手くいかなかったところを一人で居残り練習をしている。
もちろん、そこは舞台でもなく、観客もいない。
視線は、観ている誰かにではなく、むしろ、自分自身へ。
自分の内なる能力に、何度も何度も問いかけるように、納得がいくまで踊り続ける。」
「人知れず繰り返される努力とは、斯くも美しいものなのか」と思う。
それは、一人のスケーターとしての浅田選手の姿勢と重なって見えて
ジーンと心の中が熱くなる。
かつてのコーチ、タラソワ氏と浅田選手の、短くも深い信頼関係が生み出した奇跡のプログラムだ。
まさに芸術だ。
裏付けされる確かな技術と、指先、つま先まで行届いた表現力、
そして、絶え間ない努力の結晶だった。
僕は、感動し、落涙していた。
もう何度も繰り返し見ていているが、飽きることはない。

だけど、そんな僕が、妹には許せないようだ。

一番好きなシャーロットスパイラルに魅入っていた僕は
後頭部の衝撃で我に返った。
僕は、前につんのめり、顎をパソコンデスクにぶつけた。
どうやら、いつの間にか僕の部屋に入ってきた妹に
バッグで殴られたようだった。
「なにする!!」と怒鳴ったつもりの僕だったが、
先ほど流した涙でぐちゃぐちゃになった顔では、迫力が出るはずもない。
「変態!!」
二の句を告げずにいる僕をこう呼んで、妹は部屋を出て行った。
妹が階段を降りながら、リビングの母にこう言っているのが聞こえた。
「おかあさん、あにき、変態、浅田真央のお尻見て、よだれ流してる」

ち、違う、断じて違う。・・・涙・・・

1、よだれではなく涙。
2、お尻だけじゃない・・・じゃなくて、演技を見ていたんだ。
3、僕は変態じゃない。純粋なフィギュアスケートFAN。

このように、僕のフィギュアスケート愛は、
妹により「変態行為」と見なされ、家庭内迫害を受け続けている。
今もって進行中である。
後頭部やあごよりも、心が痛い一撃だった。

「おにいちゃんも男なんやから、しかたないでしょ」

母よ。それも違うから・・・再涙・・・

拍手[14回]

僕には、歳の離れた(実は真央ちゃんと同学年)の妹がいる。
年を越したら、20歳になる。

僕が6年生になったとき、ようやく1年生だったくせに、
今は一人前に、大学2回生なんてやっている。
童顔で、背が低いので、なおさら幼く見えるくせに。

真央ちゃんのほうがよっぽど大人だ。
と思うところもあれば、
真央ちゃんはのほうがずっと子供でかわいい。
と思うところもある。

僕がフィギュアスケートが好きなこととか、
浅田真央ちゃんのファンだってこととかが
どういうわけか、思いっきり気に入らないみたいだ。

僕は真央ちゃんのことは、かわいいと思ってるけど
でも、すごいって思う気持ちのほうが大きい。
尊敬や憧れのほうがきっと強いんだと思う。

そのわけは、
僕は、高校1年までクラシックバレエを習ってたから。※
たいして熱を入れてたわけじゃないけど、
一般的なバレエ教室なんて、ほとんど女の子だったから、
重宝がられて、長いこと辞められなかっただけなんだけどね。
発表会のためだったんだ。
あの頃の僕は、友達にばれないようにするのが精いっぱいで、
「バレエが好き」とか「踊りたい」とか思ったこともなかった。
だから、高2の春に受験を理由に、あっさりと辞めてしまった。

だけど、真央ちゃんを初めて見た時、
真央ちゃんの演技の中に、クラシックバレエを見たんだ。
フィギュアスケートの選手ってバレエの基礎やってるんだって思った。
後に、みんながみんなそうではないと知ることになるんだけど、
その時に初めて「機会があればまた踊ってみたい」って思うようになった。

だけど、結局バレエを踊る機会なんて訪れなかったんだけどね。
その代わりに、真央ちゃんの大ファンになっていた。
「この子が僕の妹だ」って思うことにした。
(真央ちゃん&FANの方々。勝手なこと言ってすみません。)
って自分でも笑っちゃうけど。


僕の本当の妹は、そんな僕が大嫌い。



※ 男性バレリーナは、なよっとしてるイメージがあるらしいけど、
実はかなり筋肉質なんだ。筋肉ないと持ち上げられないからね。

拍手[11回]

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