あにき日記

衣装が変わった。

フルーツ牛乳色の地色に
オレンジ系の炎が舞い、
黒でまとめて、美味しそうな色合いではないかいな。

ジャンプに乱れはあったものの
イギリスの解説者が「ベリーストロング」と
しきりに叫んでいたのも納得。

調子が良い時も悪い時も、
力が出せることが、最大の武器となった。

とにかく、演技全体がまとまっており、
一つの世界観を持つ作品として仕上がっている。

アメリカ大会に次ぐ得点で優勝した。

[89回]

かくして、ファイナル出場権を得た選手は
氏名　　　　　　　　　　　順位点　総合得点
Patrick CHAN 　　　　30 　　　557.30
Tatsuki MACHID　　　　30 　　　　　　　　　522.38
Yuzuru HANYU 　　　　26 　　　498.39
Maxim KOVTUN 　　　　26 　　　478.99
Daisuke TAKAHASH　24 　　　　　　　　　504.52
Han YAN 　　　　24 　　　459.85

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Nobunari ODA 　　　　24 　　　486.16



得点的には「ハン・ヤン」を寄せ付けない「織田信成」は
順位点と、最高順位の関係で、
惜しくも、ファイナル出場を逃した。

町田くんは、ＧＰシリーズは試合によって、出場者が異なり、
順位が予測できないのだけど、
要素が、コンスタンスに消化できるようになったことは大きい。

今回の動画はどうも、細かい所作までわかり辛いのだが、
音楽との調和も半端なく、
一つ一つの動作にも、力強さがみなぎり、
最後までスピードが衰えることは無かった。

昨シーズンは、「想い」と「成績」がなかなか一致しない場面も見受けられたが、
今季は、スペシャル本気モードで
心と力が相まって、素晴らしい結果に繋がった。

少々、力み過ぎが気になるところだが、
これぞ、魂の舞といっても過言ではないだろう。

町田くんは小柄な戦士だ。
かつての日本が、ヨーロッパ諸国や北米に負けじと
努力に努力を重ねてきた「戦後の日本の歩み」にどこか似ている。
ヨーロッパ、北米の選手たちが、長い脚や、身長の高さを持てあましているうちに、
小さな「弾丸」は、空を斬って高く大きく跳ぶ。
空気抵抗がきわめて少なく、弾丸のように弧を描いて着氷する。

町田くんは「神さま」だとの意見をコメント中にいただいたが、
まさに、この度は、「神が舞い降りた」としか思えなかった。

２位はロシア新鋭の「マキシム・コフトゥン」
ショートはクワド２回でてんすうを稼いだし、
フラメンコの独特のリズムを見事にステップに取り入れ、
スケーティングの少々の粗は、影を潜めた。

しかしながら、将来は明るく、次世代のエースとして
これからの活躍が大いに期待される。

プルプル・シェンコの動向もきになるが、
新人の特権として、粗削りでも、怖いもの知らずになりきり、
「とにかく、やってやる」という情熱を加えれば、怖いものなしだ。

ところで、ＳＰ３位で、フリー５位のフェルナンデス選手が
総合で３位、表彰台というのが気に入らない。
デヴィッド・ウィルソンの振付というだけで「ＰＣＳ」が伸びすぎ。
実際の滑りは、スムーズどころか、冬山遭難者のようであった。

振付師次第のＰＣＳの配点は、ジャッジの怠慢そのものだ。

オーサーチームが、たいした出来でもないのに
表彰台にふんづり替える様子ほど、気分の悪いものは無い。

デヴィッド・ウィル損の振付は無難そのもので、
「感動」に繋がる道筋が不透明すぎる。
それゆえ、演技を観て、「算数」の足し算を解いているような気すらする。

ま、それはおいといて、マッチーの飛躍は留まることを知らないと
現時点では言っておこう。


それにしても、町田くんは「日本そのもの」ではないか。
西洋人に対して、小柄で、華やかさは少ないが、

技術を磨く努力を怠ることなく、
やがて、世界の中心に輝く。

気のせいかもしれないが、デヴィッド・ウィルソンの振付評価は
ほんの少し、下降傾向にある。

なんとなく、魂の掛けた振付には、正直「飽き過ぎた」
ポケットには、もう幾許も、新しいアイディアは無いような気がする、
すなわち、頭打ちであり、ジャッジたちもさすがに「飽きてきたように」思う。

それでもＰＣＳを盛るだけ盛る。
バナナ売りの売れ残り、破格値、売り切り商法は陰りを見せている。

演技はとかく、生き物である。
命を吹き込めば、いくらでも輝いて見えるものだが、
機械的に、点数稼ぎを念頭に組み立てられた振付に、
何を感じればよいのだろう。

町田くんの情熱が詰まった「火の鳥｣の前には
計算上の勝利などは、何の意味もないと思う。

フィギュアスケート衰退を見て見ぬふりの
「オーサー再度」の戦略など、
すでに化石した「アンモナイト」であり、

昔をなつかしむのに一訳を買って出ているだけで
マンネリ商法は、ここに衰退すると断言したい。

とにかく、町田くんは神に近づいた。
生き神様よ。どうか、神演技を「ソチ五輪」でも見せてほしい。

魂は決して、裏切らないはずだから。