あにき日記

そうか・・・
いよいよ、ソチシーズンの使用曲が決まったみたい。

いや、すでに決まっていたといって良いみたい。

[262回]

真央が、ソチシーズンを
フィギュアスケーターとしての「集大成」と決めたのが
いつのことか、どんな想いでか・・・それはわからない。

でも、昨シーズンの使用曲選択の折には、
今シーズンのプログラムは、ほぼ、決まっていたのではないかと思う。
プレシーズンのプログラムは、五輪シーズンに繋がっていたように思う。。
ローリーの中で「真央のノクターン」が
タチアナの中で「真央のピアノコンチェルト」が
すでにイメージされていたのだ。

真央の集大成にふさわしい曲を
それぞれのコリオグラファーは選んでくれていた。

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CHOPIN　nocturne　E major Op. 9 No. 2

かつてのまだ幼さの残る少女が「無垢な輝き」を放った
「ショパン　ノクターン作品9-2」
まだ、出会って間もない「真央」と「ローリー」の
心を繋いだ思い出の曲。

ローリーは、２３歳になり
大人の輝きを見せ始めた「真央」に
再び、この曲を選ぶ。

長いフィギュアスケート人生において
輝かしい成績を残す一方で、重圧、苦難、
また、悲しい出来事に心を痛めた日々もあった。
それはすべて、個々、みなが成長の過程にあるものであって
知らんふりで通り過ぎれるものではない。
どんなに泣いても苦しくても、必ず乗り越えなければならないもの。

だけど、「真央」は一人ではなかった。

小さなスケーター真央が、
苦難を乗り越え、成長する姿を
ずっと見守ってくれていたローリー。
成長を促すよう、力を添えてくれたローリー。

再び、ショパンのノクターンを選んでくれたローリーの
「真央」に対する深く、揺るがない愛情を感じる。

また「真央」もその愛情を受け止め
プログラムを体中で表現することで、
ローリーに深い信頼と、尊敬を返し続けていた。

そんな二人の信頼関係が紡いだ「新しいノクターン」。
「真央」の成長を見守ってきたＦＡＮたちの想いと同調する。

ねえ、ローリー！
傍目から見れば、どんなにか困難な道であろうとも
僕たちの妖精「真央」は、その道を行き、その夢の果てを目指すのでしょうね。

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Rachmaninoff 　Piano Concerto No. 2 in C minor, Op. 18
1 Moderato
2 Adagio sostenuto
3 Allegro scherzando

ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番は

バンクーバーのシーズンのフリーの曲が
「ラフマニノフの鐘」と知った時、
小生は、この協奏曲だと勘違いしました。

それもそのはず

第一楽章モデラートは、
まさにロシア正教の鐘の音を起点とするからです。

Wikipediaより引用
Moderato　ハ短調　2分の2拍子　自由なソナタ形式

主題呈示部に先駆けて、ピアノ独奏が
ロシア正教の鐘を模した、ゆっくりとした和音連打を、
クレシェンドし続けながら打ち鳴らす。
導入部がついに最高潮に達したところで主部となる。

主部の最初で、オーケストラのトゥッティがロシア的な性格の旋律を歌い上げるが、その間ピアノはアルペッジョの伴奏音型を直向きに奏でるにすぎない。この長い第1主題の呈示が終わると、急速な音型の移行句が続き、それから変ホ長調の第2主題が現れる。第1主題がオーケストラに現れるのに対し、より抒情的な第2主題は、まずピアノに登場する。（ちなみにピアノ独奏は、第1主題の伴奏音型から移行句まで、急速な装飾音型を奏で続ける。これらの音型は、しばしば鈴と誤解されやすいが、ロシア正教会の小さな鐘を模している）。

劇的で目まぐるしい展開部は、楽器法や調性を変えながら両方の主題の音型を利用しており、この間に新たな楽想がゆっくりと形成される。展開部で壮大なクライマックスを迎えると、恰も作品を最初から繰り返しそうになるが、再現部(Maestoso)はかなり違った趣きとなる。ピアノの伴奏音型を変えて第1主題の前半部分が行進曲調で再現された後、後半部分はピアノによって再現される。そして第2主題は移行句なしで再現され、入念にコーダを準備する。

あのバンクーバーのフリーにて、予兆の前奏曲「鐘」。
ソチのフリにて、ラフマニノフ円熟の大作品「鐘」。
まさに浅田真央フィギュアスケート人生の円熟の実りが
ソチにて大成する。

ただし、明らかに「鐘」であるところは第１楽章なので
第１楽章を使ったらという、仮定の話になる。

なにせ、全３楽章の長い曲であり、
どの楽章にも魅惑の旋律を持っていて
一つ一つの旋律が「一部分だけ切り取っても美しい」から、
映画音楽にも使われた経緯がある。

どんな編曲をするかによって、プログラム構成は自ずと違ってくると思うので、
シーズンが始まってみないと、そこのとこはわからないので
お楽しみってことで。

ラフマニノフの第２番は、有名すぎる曲なので
そして、ヨーロッパの人は、ことにロシアの人は愛している曲だから、
編曲には、くれぐれも注意してほしい。

ちょっと小耳にはさんだ話によれば、
ラフマニノフのピアコン第２番を使った選手は優勝できないジンクスがあるらしいが、
それは、単に「優れ過ぎた音楽は、編曲を拒むもの」だからではないかと推測する。

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参照　
ラフマニノフ　ピアノ協奏曲第二番　使用　フリープログラム

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パターン1　第１楽章　→　第２楽章　→　第１楽章
高橋大輔 2005 Skate America FS （振付　ニコライ・モロゾフ）


Sasha Cohen - 2003 Grand Prix Final - LP　（振付　タチアナ・タラソワ＆ニコライ・モロゾフ）


Fumie Suguri's Free Skating, The 2006 Winter Olympics, Torino （振付　ローリー・ニコル）


この３つのプログラムは、曲の使い方がほとんど同じ。

どの演技は素晴らしいが、
ラフマニノフの曲が切り刻まれ過ぎで
ちょっと音楽がかわいそう。

一番良く使われるパターンなので、できれば避けたいような気もするが・・・

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パターン2　第２楽章のみ使用

Lu Chen 1996 Worlds LP （振付　不明）

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パターン3　第３楽章のみ使用

佐藤美生 2012 Junior Worlds FS （振付　山田満知子）

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ロシア開催のオリンピックで
ロシアの作曲家の大傑作であり、
フィギュアスケートの王道中の王道の曲を
「真央」に託すタチアナ。

厳しい課題を「真央」に与え、
苦しみもがく、愛弟子の映像を見ながら、
そっと涙を流していたタチアナの姿を忘れることは無い。

懐が深く、情が厚いタチアナが
愛する元弟子の「真央」の集大成に
万感の想いを込めて、この曲を振付てくれた。

その想いに決してぶれることなく、「真央」はきっと答える。
このプログラムもまた、後世まで記憶に残る
素晴らしいプログラムになるであろうことに、感謝したい。

ねえ、タチアナ？
意味不明のジャッジングに、行方不明のルール。
いい加減な背景を背負っても、なお
僕たちの天使「真央」は、その道を行き、その夢の果てを目指すのでしょうね。

つまらない、取るに足らない「銭の滑り」が
より高い台上に昇ろうが、関係ない。

この素晴らしい「浅田真央」という才能が、
二人のコリオグラフィーに愛し、愛されたプログラムが
僕たちの記憶の一番高いところで、永遠に輝き続けるのだから。

そして、最後は「笑顔（Smile）」。

人生は
泣きながら笑うもの。
笑いながら泣くもの。
誰しもが。

だから、笑って幕を降ろそう。