[2010年11月19日(金)]スポルティーバ記事
【フィギュアスケート】「踊るの大好き」な16歳。村上佳菜子のストロングポイントと本当の魅力
青嶋ひろの●文 text by Aoshima Hirono
村上佳菜子は、齢16にして“魔性の女”だ。
浅田真央以来の世界ジュニアチャンピオン、しかも注目度の高いオリンピックイヤーにそのタイトルを取ったことで、取材の機会が増えたシーズンオフ。記者たち(とくに
男性)が次々に「
佳菜子派」になっていくのが面白かった。
「一生懸命質問に答えてくれて、取材し甲斐がある」
「気立てもいいし、いつも笑顔でリンクを明るくしてくれる。あんないい子で、試合に勝てるのか心配だなあ」
ついこの間まで、「真央、真央」「美姫、美姫」と言っていた
男性記者が、そろいもそろって、である。
もちろん、男性記者のなかには「まだ16歳なんだから、もっと初々しい方がいいなあ」という人も、少数ながらいるのだが。
記者だけではなく、国内外問わず
男子スケーターたちにも、村上佳菜子は
大人気だ。
「面白い子だし、お笑いのセンスが素晴らしい。僕がボケると一緒にボケてくれるんです(笑)。スケートも、見ていて楽しくなる演技ですね!」(
織田信成選手)
村上佳菜子は、どう言えば
人(男性)を
喜ばすことができるか、どうふるまえば愛されるか、それをきちんとわかっているタイプなのだと思う。
そして、若くフレッシュで、シニアデビューしたばかりの1年生の自分が、何を期待されているかもよく知っている。見ていて感心するほどに。
それはある意味、何も考えることなく素のままで愛される天然系よりも、けなげで一生懸命な姿だ。自分の発言で周囲の雰囲気が和むように、自分の振る舞いで
人々(男性)が
気持ちよくなるように、ちゃんと考えられる「空気の読める16歳」。
自然に場を和ませているようでいて、実はとても気をつかっていて、その結果どんどんファンも増えていく――
女の子として、素晴らしい能力の持ち主だと思う。
しかし、村上佳菜子が本当の“魔性の女”になるのは、氷の上。
16歳にしてあの徹底したエンターテイナーぶり。「
かわいらしさ」「溌剌(はつらつ)さ」は彼女の魅力のひとつだが、それを
素の部分の表出ではなく、演技として表現できている。NHK杯やスケートアメリカでの演技、特にショートプログラムやエキシビションを見た人ならば、わかってくれるのではないだろうか。
「無邪気さ」「明るさ」を計算し尽くしたプログラムを、表情で、リズム感で、自在なムーブメントで完璧に組み立て、ひとつの「村上佳菜子像」を提示しているのだ。「
カナコ・ムラカミはこんなスケーターです」と、
世界中(の男性)に知ってもらうためのプログラムを見事に演じ切る。
驚くことに彼女は、ひとつのジャンプを跳ぶ直前まで踊っているのだ。
普通ならば、振付けをこなしながらも、頭の中では次のジャンプを跳ぶことを考えて、準備の動作を意識してしまいがち。ここが、スポーツとアートが共存するフィギュアスケートの難しさでもある。
しかし、「踊るの大好き!」な村上の場合、常に
「次の踊り!」「次の振り付け!」と、気持ちは踊ることの喜びに浸っているのだ。
それが顕著なのが、今年のショートプログラム。「エキシビションをもうひとつ作ったみたい」と言われるショーテイストのナンバーは、試合であることを感じさせないほど軽快に踊ってこそ輝く。
並みの選手ではまず持ちえない、「次のジャンプを意識している緊張感を、周囲に感じさせない」
技術。それを駆使して、村上佳菜子は2分50秒を滑り切るのだ。
それは彼女にとって、
ジャンプよりもダンスや演技のプライオリティが高いということ。アスリートとしての努力の跡を微塵も見せずに、自らの演技の世界に観客を引きずり込むことができる。そのことをスケートアメリカでも証明して
見事に優勝した。
そのスケートアメリカの後、オフリンクの彼女の“魔性”に落ちなかった「もっと初々しい子の方が……」と語っていた
男性記者が、「やっぱり佳菜子はすごい。ショートプログラムの曲が頭から離れないよ!」と
興奮しながら話していた。
それを聞いた瞬間、「やったね、佳菜子!」と笑みをうかべたくなった。陸の上のあなたに不満顔だった人でも、氷の上のあなたには、
夢中になってしまったよ、と。
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どの文も、全部、暗に浅田選手を引き合いに出している。
村上選手を褒めてるようで、
すべて、浅田選手に対してのイヤミのように感じられる。
浅田真央物語の著者が、どうしてここまで・・・
浅田選手の取材中に何かあったとでもいうのか?
青嶋ひろのにはきっと、天才「浅田真央」が理解できなかったのだ。
それにしても、男が書いたものと思えない含みのある嫌な文面だ。
青嶋ひろのの記事は、今後も気をつけてチェックしなければならない。
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| | 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 5歳の時、姉といっしょにフィギュアスケートを始めた。12歳の時、全日本選手権でトリプルアクセルを跳んだ。15歳の時、グランプリファイナルで優勝。年齢規定でトリノは行かず、バンクーバーを目指す。19歳の時、銀メダルを手に悔し涙を流す。でも、世界中の人がオリンピック史上女子で初めてトリプルアクセル3回を成功させた真央ちゃんを目撃した。これからも続く、浅田真央のチャレンジと勇気と感動の物語。小学中級から。 【目次】(「BOOK」データベースより) がんばりやの真央ちゃん/ノービス時代/ジュニアデビューと4回転/同い年のライバル/いきなりファイナル・チャンピオン/スケートが楽しい理由/初めての敗北/シニアの壁/キス&クライ/モスクワへ/コーチ、タラソワ/バンクーバーからソチへ 【著者情報】(「BOOK」データベースより) 青嶋ひろの(アオシマヒロノ) 静岡県浜松市出身。早稲田大学卒業。フリーライター。2002‐03シーズンから、フィギュアスケートの取材を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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[5回]
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この記事へのコメント
青嶋ひろの氏の記事
私は英語力がないですが、ストロングポイントという言葉はとってつけたように感じました。
「齢16にして魔性の女」とは、下品な言い方ではないですか? 私、村上さんはむしろ「素のままの天然系で空気を読んでいるのではない、という印象を持っています。
村上さんの演技に魔性をみる男性って、いるのでしょうか?
無題
女性ですか?
コメントありがとうございます。
あいや~女性だったんですね。
情報不足ですみません。
やけに、男性目線の記事だったのでてっきり。
浅田選手のこともだけど、村上選手のことも
好意的には書いてないですね。
魔性の女って、僕は村上選手はピュアな選手だと思います。
出入り禁止って
コメントありがとうございます。
もうすでに、浅田家からも嫌われていたのですね。
僕もね、読まなきゃよかったと思いました。
あんまりにもうがった考えで書かれているので。
昨日から、未だ、気分がすぐれません。
スポルティーバ(集英社)の記事は
読まないほうがいいのかもしれませんね。
無題
超大技の類におヨナの3Lz-3Tと安藤さんの3Lz-3Loを取り上げていて確かに安藤さんのはそうなんだけどおヨナのは超がつくんだろうかと思ったわけです。
超をつけるなら3回転コンボなら真央ちゃんの3F-3Loのほうがと思ったり、3Aのコンボのほうをとりあげないのかなあとおもったんですねえ。
20代の選手が頑張っていて大人のフィギュアだみたいな言い方して10代の代表を暗に真央ちゃんにしてるニュアンスで、なーにが言いたいのかと思いました。
わたしは安藤さんのファンですが真央ちゃんは嫌いじゃないです。
かわいいし、美しい!
難度の高い技もできるし逸材ですよ。
才能のある選手なんだからなにも下げなくてもいいのにと思ったものです。
前からこの人は真央下げしてるって言われててそうなのかなあと思ってたんですけど、今度の文章にはかなりそれを感じました。
日本選手はみんな好きです。
コメントありがとうございます。
青嶋ひろの氏、そんな前から、
いろいろ真央ちゃん下げを・・・
すごーくフィギュアをわかってるように書いてるけど、わかってない!!って思います。
みんなの意見を誘導するようなコラムは
やっぱり許せなく思います。
僕は、日本のフィギュア選手はみんな応援していますヨ。だから、一番、応援に困るのは、全日本選手権です。
無題
嫌味な記事です。
コメントありがとうございます。
僕も思いました。
やたら、男性好かれるようなことを
強調してるので
女性には受け入れにくい記事じゃないかと思います。
最初は、男(著者は男だと思ってた)の眼にそんな風に写るのは仕方ない部分もあるかと思いましたが、女性著者だと聞いてまたびっくり。
佳菜子を褒めてるとも言い難い、なんともイヤミな記事ですよね。
12月2日