あにき日記

あの日からどれだけ経っただろうか。
オリンピックの歴史に残る名演技と語られ
感動して泣いたのだけど
それでも
今でも満たされない思いが残っている。
彼女自身はとっくに次の章のページをめくっているというのにね。
僕のページはあの日のまま、栞を挟んでね、
また何度も読み返しては、答えのない疑問を追いかけている。
だってさ、今だってあの世界はいっぱいの疑問符に溢れていて、おかしいって思いながらも、誰もが何も言わなくなった。
少し引いた場所で傍観してるだけ。

あの頃のように熱く慣れない
彼女のように誰かを愛せない。

彼女とスケート界とそれを取り巻く世界のすべて。
愛しさも、悲しさも、憎しみさえも。
彼女と共に一喜一憂し、駆け巡った時間は
僕にとってかけがえのない宝物だから

今は心の奥にそっとしまっておくよ。

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