町田くんは、知っていたかどうか、わからないが、
長野冬季オリンピック開会式では、
小澤征爾氏の指揮によって「ベートーヴェン交響曲第９番」が演奏された。
町田くんは、この長野の地で、
長野オリンピック開会式での第九を再現し、
現役選手時代にピリオドを打ったのだった。
[232回]
ーーーWikipediaより抜粋ーーー
長野オリンピックと第九
1998年2月7日、長野オリンピックの開会式において
世界の5大陸・6ヶ国・7か所で連携しての演奏が試みられ、
その映像が世界中に中継された。
歌われた場所は小澤征爾がタクトを振った長野県県民文化会館、
中国・北京の紫禁城、オーストラリア・シドニーのオペラハウス前、
ドイツ・ベルリンのブランデンブルク門、
黒人と白人の混成合唱団で歌われた南アフリカ共和国・ケープタウンの喜望峰、
アメリカ・ニューヨークの国連本部、
開会式が行われた長野オリンピックスタジアムである。
午前11時に始まった開会式では、聖火が聖火台に点火されたあと、
セレモニーのフィナーレとして歓喜の歌が歌われた。
曇り空の長野、気温が氷点下の北京、真夏で晴天のシドニー、
真夜中のベルリン、夜明けのケープタウンと、時刻や季節
、さらには服装まで、全く異なる演奏風景が交互に映し出された。
（厳密には通信による遅れを調整しており、
伴奏となる文化会館の演奏をスタジアム以外の各地に届けて合唱し、
その映像が最終的にスタジアムで同期するよう再送された。
従って最も演奏が早い文化会館と最も遅いスタジアムで幾秒かのタイムラグがあり、
このために指揮者は離れた場所にいる必要があった。）
また喜望峰では日の出と重なり、歌が進むにつれて一帯が
明るくなっていく様子が映し出された。
ーーー抜粋終わりーーー
町田くんが、第九は日本の皆様に届ける演技と位置付けていたことから、
全日本選手権を終焉の試合に選んだのも、彼なりのメッセージなのだろう。
日本では、年末にはこぞって、第九交響曲の演奏会が開催される。
第５楽章のコーラスは、１００人以上の大がかりなものになるので、
年末の客寄せにもってこいだったからなんて説もあるが。
「年末」とは、一年の「最後」である。
そして、もちろん、ベートヴェンの事実上「最後の交響曲」なったのが
この第九交響曲である。
まさしく、終焉の時にふさわしい楽曲である。
思えば、町田くんが頭角をあらわすようになってから、
僅かに２年半ほどしか経っていない。
世界的な活躍をしていた期間は、本当に短かったように思う。
ちょっぴりほろ苦い結果となった。
ファイナルでの最下位、全日本では順位を落としたが、
彼の目は、いつになく冷静だった。
いつもなら、次の大会についての野心を語っていたから・・・
今思えば、あの時にはもう、心は固まっていたのだろう。
彼には「やりきった」という思いで、フィギュアスケート界を後にしていく。
観客の人たちも、演技前に知っていたのなら、
演技後のスタンディングオベーションで
町田くんの引退を惜しみつつ、その未来を祝福したことであろうが、
彼が、細かく明確に将来の展望を語る姿に
ファンは、今後の彼を暖かく見守ろうと、心に決めたはずだ。
でもやっぱり、第九の完成形を観たかったという思いもある。
それでも、町田樹はフィギュアスケート史上に名を残す存在となった。
彼の名は、永遠にフィギュア界に刻まれていくだろう。
町田くんの将来を祝福しよう。
町田くんの将来に幸あれ。
神への道はきっと険しい。
しかし、彼は今度は机上にて、神となるだろう。
そう、いつか。
だから、それまでは「さようなら」町田くん。
いついつまでも、お元気で、精進してください。
(T_T)/~~~
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