近頃、フィギュアスケートの採点論議が
様々な国で、様様になされている。
観客が、何を持ってその点を成すか、不明である場合もあるが、
その場合は、観る側は、ルールの勉強をするなり、何度も見てみるなり、
より楽しく、また、より解りやすく観戦することは可能だ。
そのように、ルールの複雑さは知識を持ってして補えるが、
現行ルールがジャッジの匿名性という弱点を内包しているので
たとえば、観客・選手・コーチににわからないように
不適切・不明瞭・不公平なジャッジが行われていたとしても、
どの審判が、採点したのかを特定できず、
採点をなされた選手には、泣き寝入りということも起こりうる。
殊に、ファイブコンポーネンツや、GOEのサジ加減は
個々ジャッジの「好み」なども大きく反映されるというのでは
たまったもんじゃない。
たとえ、不公平ジャッジの常習犯がいたとしても、
クビになったり、注意を受けたりしたという話は
表立っては聞こえてこない。
こういったことがまかり通っている限り、
選手、あるいはお国によっては
「ジャッジに気に入られること」に重きを置き
ロビー活動などに常習するものが現れたとしても、
なんら不思議ではない。
また、匿名性という弱点を逆手にとって、
ジャッジに圧力をかけるコーチも出現するだろう。
たとえば、自分の指揮下の選手を「より良く見せる」ために
そのライバル選手の技術を比較対象として提示し、
「うちの子のほうが、ここがこれだけ良いから、この選手より高い点数でなければいけない」と、言ったとしたら、どうなるだろう?
これは、最早、問いかけなどではなく、過去の事例を差すものだ。
すなわち、ブライアン・オーサーが、
浅田選手、安藤選手のジャンプ時の動画をジャッジに見せ、
当時、自分のコーチ下の選手であったキムの評価を
高めるために、行われた抗議のことを指す。
その抗議は、対照選手を明示して行われていたので、非常に具体的であり、
オカマだけに、非常に粘着質で執拗であり、
また、自分の立場を利用しての圧力であり、非常に周到であった。
それ故に、ジャッジは押し黙ることで、承認を示したのだ。
その後の成績は、明らかに、キムのジャンプに必要以上の加点が付き、
浅田選手、安藤選手のジャンプからは、必要以上の減点が課せられた。
すなわち、従来、公平であるはずのルールが、
あたりかまわずに噛み付いたもの勝ちのルールに、成り下がった瞬間だった。
この事例は、かってないほど悪辣だ。
対照にされた選手の演技はもちろん、努力、向上心をも、根こそぎ刈り取ったのだから。
自分のコーチしている選手にとって良いことであるのなら、
誰が傷つこうが、選手生命をも脅かそうが、おかまいなしの卑怯極まりない行為だ。
そして、その時に根付いたジャッジたちの両日本選手のイメージは、いまだに有効。
一度付いた「悪い印象」を、払拭するのは至難の技なのだ。
師弟関係を解除したからと言って
オーサーの行動を忘れることはできないし、許すことはできない。
謝って済むことでもないし、
他の日本選手のコーチになったからといって、水に流し、御破算にできるものでもない。
なにせ、オーサーの圧力は、未だにジャッジを黙らせるのだから。
オーサー(カナダ)は現行ルールの番人なのだから。
振り子時計は、「振り子」が振れなければ、動かないだろう。
正しく動かすには、「振り子」の「振り幅」も必要だろう。
各々、好みもあり、圧力も受け、美味しい飴をなめさせられ・・・
しかし、あえて、ジャッジに問う。
「その振り幅は、適切といえるのか?」
「振り子」を振り過ぎて、誰かを傷つける審判しかできない者に
ジャッジの資格などない!!!
なにせ匿名性なのだから、他に聞くところもない。
各々の良心に尋ねるしかない・・・
口惜しい限りだ・・・
PR
この記事へのコメント
無題
オーサーの行動は許しがたいものですが、友好国であるはずの米国が、国益のためなら平気で日本を貶めるように、欧米では自分の利益のためなら他人を貶めるようなことは、当たり前なのかもしれませんね。でも、私たち日本人はそういうやり方を善しとしない。西欧にもそういう風潮を苦々しく思っている人たちはいると思います。だからこそ、真央さんは世界中で好かれ尊敬されているのだと思います。羽生くんも、才能のある選手ですが、死ぬほど努力もしてることでしょう。ジャンプの安定・スケーティングの目を見張るほどの向上は、オーサーコーチのおかげと認めざるを得ないと思います。羽生くんがオーサーコーチを選んだとき、暗黒女王のことを考えなかったはずはないと思います。でも、あえて選んだ。彼の決意を尊重したいですね。
私も、昨年のロミオの方が好きですよ!
Re:無題
こんばんは。
コメントありがとうございます。
オーサーおっさんと羽生くんの件、
頭では、とってもわかってるんです。
いえ、わかってるつもりなんです。
しかし、どうにも心が追い付かない感じなのです。
でも、そうですね。
「羽生くんの選択を尊重したい」とおっしゃるmeilingさんの想い。
きっと、羽生くんを応援するみなさんの共通の想いなのですね。
その想いを踏みにじってはいけませんよね。
meilingさん。
いつも、優しく、でも正しくご意見くださって
ありがとうございます。
僕も、もっともっと、いろいろな考えが出来るよう、
いろいろな考えの方々を尊重できるよう、
精進したいと思います。
無題
Re:無題
コメントありがとうございます。
ジャッジズ・ミーティングに参加できる日本ジャッジって
【International Technical Controller】
Yoshioka Nobuhiko, Mr.
【International Judges】
Ando Miwako, Ms.
Azuma Etsuko, Ms.
Hosoi Mahito, Mr.
Kato Mayumi, Ms.
Kuno Takeo, Mr.
Kuriyama Tomoko, Ms.
Sasaki Meiko, Ms.
Yoshizawa Akira, Mr.
【ISU Judges】
Fukudome Tomie, Ms.
Kobayashi Yoshiko, Mr.
Kozuka Ayumi, Ms.
Kubota Masako, Ms.
Maeda Mami, Ms.
Nobuhiko Yoshioka, Mr.
Okabe Yukiko, Ms.
Okano Sakiko, Ms.
Ugaki Shizuko, Ms.
Yamada Tomiko, Ms.
Yamamoto Sakae, Ms.
【ISU Referees】
Amako Kenji, Mr.
Hiramatsu Junko, Ms.
Shirota Noriko, Ms.
【International Technical Specialists】
Ishikawa Ikuko, Ms.
Kagita Yuko, Ms.
Kanzaki Noriyuki, Mr.
【ISU Technical Specialists】
Amano Shin, Mr.
Kawai Masako, Ms.
Koyama Tomoaki, Mr.
Okazaki Makoto, Mr.
【International Data & Replay Operators】
Furuhata Yumiko, Ms.
Sawada Kazuya, Mr.
【ISU Data & Replay Operators】
Hayakawa Risa, Ms.
Hirai Ranko, Ms.
Kitaji Emiko, Ms.
Okada Jun, Mr.
この人たちでしょうか?
シングル&ペアスケーティング・テクニカルコントローラー・レポートという
試合の採点に関しての記名のアンケート(?)を送ったりするんでしょうかね・・・
もし、よろしければ、ご存知の範囲で教えて下さい。
よろしくお願いいたします。
無題
自分の採点に確固たる自信と根拠があれば、顔だろうが国籍だろうが名前だろうが出せるはず。どの競技も同じでフィギュアだけが特別なわけではないはずです。ジャッジには試合のうちの1つかもしれないでも選手にとってはラストチャンスなのかもしれない。そんな考えさえ浮かばないのでしょうね。
羽生君は元々安定した3Aとクワドを持つ選手。まだまだ伸びしろがある選手です。オーサーの所に行くというよりも環境を求めて行ったのでは。仙台のリンクでは時間が取れずジャンプの練習しかできないと言ってましたから。
オーサーは勝つためのプログラムを作るのは上手いかもしれない。でも感動させるプログラムを作ることは出来ないのかもしれません。だからこそ昨シーズンとのギャップに繋がっているのではないでしょうか。
とにもかくにもオーサーとKYは黒すぎた。(私の中では真っ黒けなんですけどね)もし羽生君が師事したコーチが他の外国人コーチだったら?こんなにもやっとした想いも抱かなくて済むのでしょうね。
Re:無題
こんばんは。
コメントありがとうございます。
たしかに、羽生くんの場合は、
環境を求めていたのでしょうね。
もしかしたら、本当に残念に思ってるのは、
オーサーと師弟関係を結んだことより、
信頼し合っていた奈々美コーチとの師弟関係が解消されてしまったことかもしれません。
同じ信頼関係でも、まっ黒けっけの二人もいましたね。
「とにもかくにもオーサーとKYは黒過ぎた」
この一文に激しく賛同いたします!!うまい!!
真黒けだったからこそ、見事に「汚い終わり方」が可能だったのでしょうね。
http://go-xlinks.com/